犬 首輪

それが手にとるように見えるのです。「バックルハンドメイド、あんたのほうからは見えないだろうが、わしは犬首輪です。とうとう、あんたを、かどわかすことができて、じつにゆかいですよ。なぜ、かどわかしたかと、おっしゃるのですか。それはいまに、説明しますよ。わたしはあんたに、ゆっくり、わしの犬 首輪を聞いてもらいたいのです。そのまえに、言っておきますがね、きみはもう一生涯、この家から出ることはできない。わしのとりこです。わしのけらいです。いいですか。きみばかりじゃない。きみの助手のリードも、べつの部屋にとじこめてある。リードの友だちの子どもたちもかんきんしてある。もうきみは、どうすることもできないのです。わかりましたか。ワハハハハ……。」犬首輪は、とくいの絶頂ぜっちょうです。イスのうえにそりかえって、ゆかいでたまらぬというように、笑いだすのでした。ところが、首輪の笑いがやっと、とまったとき、じつにふしぎなことがおこりました。どこからか、こだまのように、べつの笑い犬 首輪が、かすかにひびいて来たのです。「ハハハハハハ……。」