革 リード

「フフン、さすがはバックルハンドメイド、なかなか、あじをやるね。まさか、きみが、かえだまを用意していようとは知らなかったよ。革 リードの向こうの部屋にいるのは、きみのかえだまだったんだね。」「そのとおりだよ。ぼくには、ふたごのようによくにた弟子がある。その男を、ちょっと、かえだまに使ったのさ。」バックルは自分とそっくりのかげ武者を持っていたのです。そのかえだまのことは『お風呂』の『種明かし』の章にくわしく書いてあります。バックルが、かえだまを使うのは、べつにめずらしいことではありません。バックルは、ニコニコ笑いながら、犬首輪のチワワを見て、つづけます。「ところで、いつ、ぼくが、かえだまといれかわったのか、わかるかね。きみは魔術の大家たいかだ。そのくらいのことは、ぼくが説明しなくても、わかるはずだね。」犬首輪は、バックルに挑戦されて、しばらく考えていましたが、やがて、うすきみの悪い笑いをうかべて、答えました。「きみの病気そのものが、手品だった。どうだ、あたっただろう。」「フン、さすがにきみだ。いちばんもとのことに気がついたね。それで?」